くじけそうな時に読んでほしい!「青春を山に賭けて」書評
2019.03.05
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今回は登山家・冒険家の植村直己さんが書いた「青春を山に賭けて」をご紹介します。
著者について
【名前】
植村 直己(うえむら なおみ)
【生年月日】
1941年(昭和16年)2月12日
【出身地】
兵庫県
【職業】
登山家・冒険家
【経歴】
世界初、冬季マッキンリー(デナリ)単独登頂後、消息を絶つ
登山家・冒険家として数々の功績をもつ植村直己さん。
1984年、冬季マッキンリー(デナリ)に入山、単独登頂成功の通信を最後に消息不明に。
同年に国民栄誉賞を受賞。
「青春を山に賭けて」について
「青春を山に賭けて」は著者、植村直己さんの青春時代を描いた内容となっており、登山家・冒険家としての第一歩から、五大陸最高峰登頂という偉業を成し遂げるまでを描いたノンフィクション作品です。
植村直己さんが青春時代に登頂した山のエピソードや、アマゾン川6000キロをイカダで下るという挑戦も描かれています。
印象に残った場面
【たまたま入った?山岳部】
明治大学農学部に入学した植村直己さん。
将来について目標はなかったものの、サークル活動ぐらいはしようと考えた結果、山岳部を訪ねます。
山岳部の先輩の熱心な勧誘によって、その場で入部が決まります。
これが世界をまたにかける植村直己の始まりでした。
登山でも数々の功績を残した植村直己さんなので、てっきり小さい頃から登山が好きかと思っていましたが、そうではなく、山岳部に入部したのはこれが初めてでした。
【たった110ドルでアメリカへ】
1964年、植村直己さん当時23歳のとき、ヨーロッパのアルプスへ行くための資金稼ぎに単身アメリカ合衆国へ渡ります。
アメリカ合衆国へ渡る際の持参金はなんと、4万円をドルに換えた110ドルのみでした。
【強制送還されそうになる】
とある農場でヨーロッパのアルプスへ行くための資金稼ぎをする植村直己さん。
しかし観光ビザで入国しているため、移民調査官に捕まってしまいます。
ヨーロッパのアルプスへ行ってもないのに、まだ日本には帰れない!
機転をきかせた植村直己さんは、ある方法で強制送還を免れます。
【ついにヨーロッパ・アルプスへ!ところが……】
強制送還を免れ、やっとたどり着いたヨーロッパのアルプス。
さっそくヨーロッパのアルプス最高峰モンブランへ単独登頂を挑みます。
ところがアクシデントに見舞われます。
【植村直己さんの性格】
数々の功績を残した冒険家ですから、さぞ豪快で猛々しい性格なのかとおもいきや、温厚で礼儀正しく、人懐っこい性格です。
その性格があらゆる人を惹きつけ、単独で冒険に挑む植村直己さんを支えたいという気持ちにさせるのでしょう。
さらに植村直己さんを知る手がかりとして、「青春を山に賭けて」の巻末に西木正明氏の解説があり、その中で探検家に必要な資質を問われた植村直己さんは「臆病者であることです」と答えました。
自分は臆病者だとさらけだせる素直さや、臆病者だと受け入れられる寛容さが、大自然と向き合える植村直己さんの強さなのだと感じました。
あとがき
「青春を山に賭けて」を読み進めるうちに、植村直己さんの行動の端々にみえる真摯な人柄が伝わってきます。
そして植村直己さんの心の中にある不屈の炎も垣間見ることができます。
植村直己さんの不屈の炎を感じることで、くすぶっていた気持ちが再び燃え始めます。
登山や冒険が好きな方にはもちろん、くじけそうになったときや、弱気になったときにオススメしたい本です。